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Internet of Things市場の立ち上がりが期待される

今年1月のCESではwearable deviceやsmart automobileといった形で、身近にある物がコンピューティングデバイスとして、またコミュニケーションデバイスとしてインターネットにつながり、我々の生活をより便利にしてくれる様々な新しいプロダクトが数多く紹介された。

Pebble Steel -smart watch-

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belkin -connected light bulb-
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3L Labs - connected insole -
3L Labs - connected insole -.png

iHealth - blood pressure monitor-
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Internet of Thingsとは

Internet of Things(IoT)として総称される、全ての物がインターネットに繋がり人と物、物と物がコミュニケーションを取るというコンセプトは、1999年にMITからそのベースとなるアイデアが提唱され、2005年あたりからIoTと言う呼び方で世の中に少しずつ浸透してきた。

当初はモーションセンサーや熱センサーなど、センサーとして動的に様々な情報を感知しデジタル情報として変換するデバイスや、RFIDタグのような静的に情報をストックし必要な時にその情報を取り出せるデバイスなどが、無線によって相互に繋がることで新しいビジネスが生まれると考えられていた。

しかし多くのアイデアは、我々が直接目に触れ実感できるものではなく、工場や倉庫の管理、災害監視や気象データ収集など官公庁や大学、企業の裏方の用途ばかりだった。またsmart homeやdigital homeなどというコンセプトの下、家電やAV機器との連携を目指した商品を提供する家電メーカーが出てきたが、プロダクトの価格も高く具体的なベネフィットが見えづらく、ユーザーに受け入れられるまでには至らなかった。

普段使いのIoTへ

そんな中、状況が変わり人々がIoTの具体的なベネフィットを感じ始めたのはやはりfitbitの登場だろう。急速にスマートフォンが普及し、スマートフォンと連携し手軽に利用できるデバイスが登場するようになってから、ユーザー一人一人の普段使いの応用事例としてwearable deviceというドメインの認知を高めるきっかけとなった。

また、最近ではNESTのような一部の機能に特化したsmart homeの事例も、物とスマートフォンとのコミュニケーションができる具体的なユースケースとして人々の注目を集めている。
これらwearable deviceやsmart homeも広義のIoTとして考えられており、PebbleやGalaxy Gearなどの腕時計型ガジェットからsonyが発表したcoreなどのヘルスケア領域まで今後ますます多くの普段使いのユースケースが広がっていく事が予想される。

Nest - Learning Thermostat -
Nest - Learning Thermostat -.png

sony - core -
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全ての車を"Smart"に

我々サイバーエージェントベンチャーズも、昨年この領域のDash Labs社(以下Dash)に出資した。
Dashは車とスマートフォンを連携させ、インターネットを介して通常の車を"Smart Car"にするサービスを提供している。
利用するには車に標準的に搭載されているODBという規格のプラグにデバイスを取り付け、BluetoothやWi-Fiでスマートフォンと連携する。これにより、速度やエンジンの回転数、油温計などの情報や、故障情報を車から取得するとともにスマートフォンに搭載されたGPS、各種センサーの情報がクラウドに蓄積される。クラウドでは得られた情報を元にドライバーの安全運転度やエコ運転のレベルなどをリアルタイムに数値化・可視化したり、故障の際、近くの修理工場へ速やかに誘導するなど日々のドライブライフが安全且つ快適になるようデザインされている。

dash.png

全てのドライバーにスマートなドライブライフを提供する「Dash」

なぜ我々がこの手のエリアに投資したか不思議に思う方もいるかもしれない。結論から言うと、現在うまく利用されていない若しくはデジタル化されていない情報をインターネットを介し有益な形に変えていく部分に大きな可能性を見いだしたからだ。またそれはハードウェアが主役ではなくソフトウェアとUXが勝負を決める世界であり、それはインターネットの分野に永く知見のある我々が多いに力を発揮できる領域でもあるためだ。今後の発展のカギは離散したデータを集積し、それらの情報をどう活用するかに掛かっている。

これからのIoT

先に紹介したように、現在のIoTのマーケットは、例えばフィットネス、プロダクティビティ、ヘルスケア、自動車などセグメントに特化した形で先鋭的にユーザーのベネフィットを追求している。もちろん1つ1つのセグメントは大きいマーケットになりつつあるが、今後はそれぞれのマーケットが有機的に繋がり、より大きなマーケットを形成すると予想している。

例えば、車の運転中にsonyのcoreで体調不良を感知し、dashがその情報を元に近くの病院へ誘導、pebbleがその後の全ての予定に対しキャンセルのメールを出す、などユースケースは様々考えられるが、現在バラバラに機能するdeviceそれぞれの情報が有機的に結びつき、ユーザー一人一人に最適化されたソリューションを提供するサービスが出てくる、いわばIoT2.0の時代も近いと考えている。

実際にはそのような状況を見越したstartupも出はじめており、ますます目の離せないホットな投資分野となっている。

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この記事の著者

南出 大介
CyberAgent Ventures, Inc.
アメリカオフィス代表

国内大手携帯キャリアにて、国際事業部門・マーケティング部門に所属し、ベンチャー投資及びビジネスデベロップメントに従事。Evernote社の投資を担当し、ボードオブザーバーを歴任。2013年7月、サイバーエージェント・ベンチャーズに入社し、2013年11月より米国西海岸での投資担当としてベイエリアに着任。
米国バデュー大学 経営大学院卒

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