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もうひとつのネット先進国 韓国スマートフォンゲーム市場の現在と今後

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インターネット普及率が80%、スマートフォン普及率が70%を超え、世界的なネット先進国のひとつである韓国。

昨年はKAKAO GAMEのスタートによりスマートフォンゲーム市場が一気に花開いた事もあり、その活況に新たな機会を見出した日本のゲーム会社も多いのではないだろうか。実際に私がソウルでの活動を始めたのは201210月であるが、それ以降、幾つかのゲーム会社が韓国マーケットへの参入や拠点の設立を決定もしくは検討していると伝え聞いている。

Google Play 売上規模世界2位、突如生まれた巨大なアプリ市場と新たな競争の予感

KAKAO GAMEのスタートにより韓国のアプリ市場、ゲーム市場は活況を呈している。大半のゲームデベロッパーはウェブからスマートフォンアプリに舵を切り、大手・ベンチャー企業入り乱れ、まさにゲーム業界群雄割拠の様相である。

韓国のオンラインゲーム市場は2012年基準で市場規模が約7100億円(7.8KRW)もある程の巨大なマーケットであるが、KAKAO GAMEスタート以前のスマートフォンゲーム市場は最上位タイトルで月商約1.37億円強(15KRW)に留まる程度の規模であった。最上位タイトルは2桁億円を超えることも珍しくない現状を見ると、如何にKAKAO GAMEがスマートフォン市場を切り拓いたエポックメイキングなサービスであるのかが分かる。KAKAO GAMEKAKAO TALKと連動する事で、一切の有料マーケティングを行わずにサービスの拡大を成功させた。老若男女、誰でも楽しむ事が出来るシンプルなカジュアルゲームがメインである。当初はゲーム数が少なかった為、口コミによる拡散が多く見られたが、最近ではユーザーがゲーム慣れした事、既に200以上のゲームがリリースされている事から、KAKAO上でヒットさせるのも難易度が高く、各社が新規性のある面白いゲームの開発を急ぎマーケティング戦略で競う状況となっている。

因みにスマートフォンゲームの市場規模は2012年で6,328KRW2013年で9,180KRWと年平均45%の成長が予測されている。オンラインゲームの市場規模に対しての比率で比較すると、2012年で8.0%、2013年予測でも9.5%に留まっており、現状の市場状況はカジュアルゲームがKAKAO TALKという国民的アプリを通じて、非ゲーム層を取り入れた結果に過ぎない。

今後はいかにオンラインゲーム市場を構成するユーザーを惹きつけるタイトルをリリースしていけるかが勝負の分かれ目であり、当然、市場規模も数値で予測されている以上の更なる拡大が見込めるであろう。

巻き返しを狙うNaver App Store

アプリマーケットも、KAKAO GAMEローンチ以前と以後では大きく様相が変わってきている。

韓国のアプリマーケットはGoogle PlayTstore(SK)OZ storeLG)、Olleh marketKT)そして韓国インターネット市場で覇権を持つNAVERが運営するNaver App storeiOS向けのApp Storeの6者で構成されている。

KAKAO GAMEローンチ以前は大手携帯電話キャリアであるSKグループのSK Planetが運営するTstoreがアプリマーケットシェアの約6割程度を占めていたが、KAKAO GAMEローンチ後はKAKAO GAMEGoogle Playでアプリを流通させていることもあり、Google Playのシェアが約7割と大幅に逆転する現象が起き、韓国Google Playの売上・DL数順位は共に20124 App Annie世界2位まで躍進している。

今後の流れとしては、スマートフォンビジネスでは後塵を拝しているNAVERKAKAO TALKを中心に事業拡大を続けるKAKAOの独走を許す訳は無く、Naver App storeの巻き返しが予測される。事実、NAVERはモバイル検索シェア約70%の集客力とウェブサービスで築いた登録者3,700万人・DAU1,200万の会員基盤を活かしたNaver App storeの梃入れに力を入れている。

他プラットフォームとの大きな違いは、ユーザーへのポイント還元と決済機能の独自提供で、デベロッパー・ユーザー双方にメリットのあるアプリマーケットを提供している。従来のアプリマーケットエコシステムにおいては〔マーケット:デベロッパー〕のレベニューシェア率は〔3070〕が大半であり、KAKAOに関してはKAKAOGoogleに対し各々に手数料を支払う必要があるが、NAVERは配分先と比率を〔ユーザー:マーケット:デベロッパー〕とし、還元率は〔102070〕と設定している。現在はキャンペーンとしてデベロッパーへの還元率を80%としており、今後、韓国アプリマーケットの一角を占めるマーケットに成長することが予測される。

ゲームビジネス関係者の間でも今年の下半期にかけてNaver App storeが巻き返してくるとの意見があり、今後日本企業が韓国マーケットでアプリをパブリッシュする際の選択肢のひとつになることは間違い無いであろう。

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この記事の著者

海老原 秀幸
株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ
ソウルオフィス代表

マーケティングコンサルティング会社を経て、2005年6月よりサイバーエージェント・ベンチャーズへ入社。投資先企業に出向し、常勤のボードメンバーとして戦略立案からオペレーション改善等のハンズオン業務に携わり、上場企業へのバイアウトを経験。その後、日本国内にて10数社の投資及び投資先のインキュベーション活動を経験し、2012年10月よりソウル事務所に駐在。同事務所の代表として韓国企業への投資活動及び経営・グローバル展開の支援業務に携わっている。